日本酒の中でも特に人気の高い獺祭。せっかく飲むなら、自分の好みに合った一本を選んで、失敗や後悔をしたくないですよね。 でも、獺祭について調べてみると、「フルーティーで甘い」という声もあれば「いや、すっきりとした辛口だ」という意見もあって、一体どっちなの?と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
特に、獺祭の顔ともいえる45を試した方の中には、印象が分かれることもあるようです。 そもそも日本酒の甘口と辛口のプラスの度数はどういう意味なのか、味の指標となる日本酒度と実際の味わいの関係も少し複雑に感じられますよね。
この記事では、獺祭の実際の辛さレベルから、なぜ獺祭は水みたいと表現されることがあるのかまで、あなたの疑問を一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。日本酒の甘口と辛口はどちらが美味しいのかという永遠のテーマにも触れながら、あなたにぴったりの甘口のおすすめ種類や、キレが楽しめる辛口のおすすめ種類を具体的にご紹介しますね。
- 日本酒の甘口と辛口が決まる基本的な仕組み
- 獺祭が甘口とも辛口とも言われる理由
- 主要な獺祭の種類ごとの味わいの違い
- あなたの好みに合った獺祭の選び方

こんにちは!この記事の著者「はなまる」です。お酒大好きな私が、お気に入りのお酒を紹介します。読者が良いお酒に出会えることを心掛けて記事作成しています。
「獺祭は甘口か辛口かどっち?」を徹底解説


- 日本酒の甘口と辛口のプラスの度数は?
- 味の指標となる日本酒度とは?
- 日本酒は甘口と辛口のどちらが美味しい?
- 種類ごとの辛さレベルを比較
- 「獺祭は水みたい」と言われる理由
日本酒の甘口と辛口のプラスの度数は?


「日本酒の甘口や辛口って、プラスの数値で表されることがあるけど、どういう意味なんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。 これは「日本酒度」という指標で、お酒の甘さや辛さの目安を示しているんですよ。
一般的に、日本酒度がマイナス(-)だと甘口、プラス(+)だと辛口とされています。 糖分が多く含まれているお酒ほど比重が重くなるためマイナスに傾き、逆に糖分が少なくアルコール度数が高いお酒は比重が軽くなるのでプラスに傾く、という仕組みなんです。
ただ、ここで少し注意したい点があります。 実は、味わいはこの日本酒度だけで決まるわけではないんですね。後ほどご紹介する「酸度」というもう一つの要素も、味の感じ方に大きく影響を与えます。例えば、同じ日本酒度のプラスのお酒でも、酸度が高いとシャープでより辛口に感じられ、酸度が低いとまろやかで甘みを感じやすくなることがあるんです。
ですから、日本酒度がプラスだからといって、必ずしも「ピリッとした辛さ」があるとは限らない、ということを覚えておくと、日本酒選びがもっと楽しくなりますよ。
味の指標となる日本酒度とは?


それでは、もう少し具体的に味の指標となる日本酒度とは何かを見ていきましょう。 前述の通り、日本酒度は日本酒の中にどれだけ糖分が残っているかを示す目安で、水の比重を±0として設定されています。お酒の比重が水より重ければマイナス(甘口傾向)、軽ければプラス(辛口傾向)になるわけです。
この数値は、お米が発酵する過程で、どれだけ糖分がアルコールに変わったかで決まります。 発酵がしっかり進んで糖分が少なくなり、アルコールが多く生成されると、日本酒度はプラスになり辛口とされます。逆に、発酵を穏やかにして糖分を多く残すと、日本酒度はマイナスになり甘口になるんですね。
多くの日本酒のラベルにはこの日本酒度が記載されているので、味を想像するための便利な手がかりになります。 ただ、これもあくまで一つの目安です。
繰り返しになりますが、香りや酸度、旨味成分であるアミノ酸の量など、様々な要素が絡み合って最終的な味わいが決まります。日本酒度は、味わいを構成するパズルのピースの一つ、と考えると分かりやすいかもしれません。
日本酒は甘口と辛口のどちらが美味しい?


「結局のところ、日本酒は甘口と辛口のどちらが美味しいの?」これは本当に多くの方が抱く疑問ですよね。 言ってしまえば、これは「どちらも美味しい」というのが答えになります。なぜなら、美味しさの感じ方は人それぞれで、絶対的な基準はないからです。
かつて、戦後の物資が不足していた時代に造られた「三増酒」という甘みを添加したお酒が普及した影響で、「甘いお酒=品質が低い」というイメージがつき、「辛口こそが良いお酒」という風潮が強まった時期がありました。 しかし、現在の日本酒における「甘口」は、お米本来の持つ自然で上品な甘みを指します。
フルーティーで華やかな香りの甘口のお酒は、食前酒やリラックスしたい時にぴったりですし、一方で、キレが良くスッキリとした辛口のお酒は、食事の味を引き立ててくれる最高のパートナーになります。
大切なのは、ラベルの「甘口」「辛口」という言葉だけで判断するのではなく、ご自身の舌で「心地よい」と感じる味わいを見つけることです。様々なタイプを試す中で、きっとあなたにとって「最高に美味しい」一本が見つかるはずですよ。
種類ごとの辛さレベルを比較
では、いよいよ本題の獺祭について見ていきましょう。獺祭の主要な種類の日本酒度や酸度を比較することで、それぞれの辛さレベルを客観的に把握することができます。
種類 | 日本酒度(目安) | 酸度(目安) | 味わいの特徴 |
獺祭 純米大吟醸45 | +3~+5 | 1.4~1.5 | 華やかな香りと米の旨味。甘みと辛さの両方を感じる複雑な味わい。 |
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分 | +3~+6 | 1.3~1.4 | 蜂蜜のような上品な甘みと長い余韻。フルーティーでまろやか。 |
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 | +4~+5 | 1.1~1.3 | 雑味がなく透明感のある味わい。スッキリとしたキレと優しい甘み。 |


※日本酒度や酸度は醸造年度によって多少変動します。
この表を見ると、獺祭の主要なラインナップは全て日本酒度がプラスであり、分類上は「辛口」に属することがわかります。 しかし、注目すべきは酸度の低さです。特に「磨き二割三分」は酸度が1.1~1.3と低めですよね。酸度が低いと、同じ日本酒度でも味わいがシャープになりすぎず、まろやかに感じやすくなります。
このように、獺祭は日本酒度上は辛口でありながら、華やかな香りと低い酸度によって、飲む人によっては豊かな甘みを感じやすい「甘みのある辛口」という、絶妙なバランスの上に成り立っているお酒なのです。
「獺祭は水みたい」と言われる理由
獺祭の感想として、時々「水みたいでスルスル飲める」という表現を耳にすることがあります。これは決して「味が薄い」というネガティブな意味ではありません。むしろ、最高の褒め言葉の一つと捉えることができます。
この「水みたい」という感想が出てくる主な理由は、獺祭が持つ圧倒的な「透明感」と「後味のキレ」にあります。
雑味のなさ
獺祭は、酒米の王様と称される「山田錦」を、中心部分だけになるまで徹底的に磨き上げて造られます。特に「磨き二割三分」は、お米の77%を削り、残りの23%しか使用しません。 こうすることで、日本酒の雑味や苦味の原因となる米の外側のタンパク質や脂質が極限まで取り除かれ、非常にクリアでピュアな酒質が生まれるのです。
軽やかな口当たりと後味
前述の通り、精米歩合の高さに加えて、丁寧な醸造によって生み出される軽やかな口当たりも特徴です。口に含んだ瞬間に広がる華やかな香りと上品な甘みは、すーっと喉を通り過ぎ、後にはベタつきやしつこさが一切残りません。 この引っかかりのない滑らかな飲み心地が、「まるで上質な天然水のように感じる」という感想につながるわけですね。
このように考えると、「水みたい」という表現は、獺祭が目指す「味わう酒」としての品質の高さを証明していると言えますね。
【種類別】獺祭の甘口・辛口はどっち?おすすめを紹介


- エントリーモデルの獺祭45
- 飲みやすい甘口のおすすめ種類
- キレのある辛口のおすすめ種類
- 獺祭の味を引き出すおすすめの飲み方
- 結論!獺祭は甘口と辛口のどっち?
エントリーモデルの獺祭45


獺祭の世界への入り口として、まずおすすめしたいのが「獺祭 純米大吟醸45」です。 これは、獺祭のラインナップの中で最もスタンダードな一本として位置づけられており、価格も比較的手頃なため、初めての方でも手に取りやすいのが魅力ですね。
味わいの特徴は、リンゴや梨を思わせるフルーティーで華やかな香りと、お米由来の繊細な甘みです。口当たりは非常になめらかで、飲みやすい印象を持つ方が多いでしょう。
ただ、この獺祭45は、飲む人によって感想が分かれやすい、少し面白い特徴も持っています。 ある人は「フルーティーで甘口」と感じる一方で、別のある人は「後味にアルコール感や若干の苦味、酸味があって複雑。むしろ辛口だ」と感じることもあるようです。これは、獺祭シリーズの中では米の磨き(精米歩合)が45%と、他の高精米のものに比べて米の個性が残りやすいため、甘み以外の要素も感じやすくなっているからだと考えられます。
このため、獺祭45は「獺祭とはどんなお酒か」を知るための試金石のような存在です。 まずはこちらを試してみて、ご自身が甘みと複雑さのどちらをより強く感じるかによって、次に試す一本を選ぶのも楽しいですよ。
飲みやすい甘口のおすすめ種類
「やっぱり日本酒は、フルーティーで飲みやすい甘口が好き!」というあなたにおすすめしたいのが、「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」です。 このお酒は、多くの飲み比べ企画や口コミで「甘くて美味しい」「一番好き」という声が最も多く挙がる、まさに獺祭の「愛されキャラ」的な存在なんですよ。


その魅力は、なんといっても蜂蜜を思わせるような、とろりとした上品な甘みです。 お米を39%まで磨き上げることで、雑味がなくなり、山田錦が持つ本来の美しい甘みが際立っています。口に含むと、華やかな香りと共に、まろやかで豊かな味わいがふんわりと広がります。
それでいて、甘ったるさはなく、飲み込んだ後の余韻が非常にきれいで長いのも特徴です。 クセがなく、どんな料理にも合わせやすいバランスの良さも持ち合わせています。日本酒を飲み慣れていない方や、女性にも自信を持っておすすめできる一本です。
特別な日の乾杯や、リラックスしたい夜に、この上質な甘さをゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
キレのある辛口のおすすめ種類
「甘さよりも、スッキリとした透明感やキレを楽しみたい」という、辛口派のあなたには「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」がぴったりです。 このお酒は、獺祭の最高峰であり、蔵の技術の粋を集めて造られた、まさに芸術品とも言える一本です。


最大の特徴は、精米歩合23%という極限までお米を磨き上げたことによって生まれる、圧倒的な透明感とシャープなキレです。 口に含むと、最初に感じるのは非常に繊細で優しい甘みですが、それが長く留まることはなく、すーっときれいに消えていきます。そして後には、清らかな水のようでありながら、長く続く上品な余韻が残ります。
香りは非常に華やかで、メロンや白桃を思わせる吟醸香が立ち上りますが、味わいはあくまでも軽快です。 「獺祭は水みたい」という表現が最も当てはまるのが、この「磨き二割三分」かもしれません。飲み口が非常にクリーンなため、繊細な味付けの和食、特に白身魚のお刺身や、お寿司などとの相性は抜群です。
お値段は少々張りますが、記念日や自分へのご褒美など、特別な時間を過ごしたい時にぜひ試していただきたい、格別な味わいのお酒です。
獺祭の味を引き出すおすすめの飲み方


せっかくの獺祭を、最高の状態で楽しむための飲み方も知っておきたいですよね。 獺祭の最大の魅力である「華やかな香り」と「繊細な味わい」を最大限に引き出すためには、温度管理がとても大切になります。
ずばり、おすすめの飲み方は「冷酒」です。 冷蔵庫でしっかりと冷やし、飲む10分ほど前にテーブルに出しておくのがベストタイミング。おおよそ10℃~15℃くらいの温度帯が、香りが最も華やかに開き、味わいの輪郭もはっきりと感じられますよ。
逆に、あまりおすすめできないのが「熱燗」です。 純米大吟醸酒を温めすぎてしまうと、せっかくの繊細でフルーティーな香りが飛んでしまい、味わいのバランスも崩れて雑味を感じやすくなってしまうことがあります。
また、意外かもしれませんが「ロック」で楽しむのも一つの方法です。 特に夏場など、スッキリと飲みたい時には、大きめの氷を入れたグラスに注ぐことで、より爽快な飲み口になります。アルコール度数が少し和らぐので、日本酒があまり得意でない方でも飲みやすくなるかもしれませんね。
ただ、氷が溶けすぎると味が薄まってしまうので、ゆっくり時間をかけるよりは、早めに飲み切るのが美味しくいただくコツです。
結論!獺祭は甘口と辛口のどっち?
ここまで様々な角度から見てきましたが、獺祭は甘口と辛口のどっちなのか、この記事のまとめをしますね。
- 獺祭は日本酒度上は「辛口」に分類される
- しかし酸度が低く華やかな香りのため「甘口」に感じる人も多い
- つまり「フルーティーな甘みを感じる辛口」というのが最も近い表現
- 甘口か辛口かの感じ方は、獺祭の種類や飲む人の味覚によって異なる
- 日本酒の甘辛は日本酒度と酸度のバランスで決まる
- 日本酒度がプラスだと辛口、マイナスだと甘口というのが基本的な見方
- 「獺祭は水みたい」という感想は、雑味がなくクリアな味わいの証
- 獺祭45は、甘みと複雑さの両方を感じられるスタンダードな一本
- 甘口派には、蜂蜜のような甘みの「磨き三割九分」がおすすめ
- 辛口派には、透明感とキレが抜群の「磨き二割三分」がおすすめ
- 最高の味を楽しむなら、熱燗ではなく10℃~15℃の冷酒が最適
- 夏場にはロックでスッキリと飲むのも一つの楽しみ方
- ラベルの表示だけでなく、自分の舌で好みの味を見つけることが大切
- 獺祭は、日本酒初心者から愛好家まで幅広く楽しめるお酒
- この記事を参考に、あなただけのお気に入りの獺祭を見つけてほしい
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